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PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる時の半世紀の終りに〜 universe44 永遠に続けばいいのに

 ここはガーディアンズ本部のミーティングルーム。すでに夜も遅いが、コロニー爆破事件阻止チームとレリクス探索チームが、情報を交換していた。もちろん、ラジャとアルファも同席しており、さらにはルディとネイもいる。かなりの大所帯となっていた。
 ランディたちコロニー爆破事件阻止チームは、あれから爆弾処理班を呼んで爆弾処理を行い、ジャッキーとビーストの死体を確保し、4人のビーストを拘束した。死体は監察医により行政解剖され、拘束したビーストにおいても様々な研究が行われる予定であった。アナスタシアたちレリクス探索チームは破壊したキャストの部品などを回収しており、こちらも鑑識班のエンジニアたちが調査材料に使うという。
 ガーディアンズはコナンドラムの研究を探るための多くの材料を手に入れることができ、かなり大きく前進したといえた……のだが。
「ダークファルスと遭っていたですって!?」
 アナスタシアがものすごい剣幕で席を立って、右手をテーブルに叩きつけた。
 その勢いに一同がしんと静まり返り、アナスタシアとその前に座っているランディに視線が集まる。
「いや……その、まあ落ち着いてくれないかな」
 さすがのランディもその勢いに押され、中途半端な笑顔を作りながら立ち上がった。両手をアナスタシアの肩に置き、まあまあと座るように促す。
「……これが落ち着いていられるものですか……!」
 今度は茫然としたような顔で視線を落として、アナスタシアは席についた。
 その席で、レリクス探索チームの報告を聞いたランディが、そういえば16年前の事を思い出した、と報告した。その内容にアナスタシアは驚いたのである。
「なんせ、俺もジャッキーに言われて、やっと思い出したぐらいだからな。無意識にその時の話だけ、全て忘れていたぐらいだ」
 ランディは視線を落として静かに言う。思い出すだけで嫌な記憶だ。理解はできるが、受け入れる事はまだできそうにない。
「……あまり思い出したくない記憶なんだ。俺の手の中で崩れてゆくニックの感触も、まだこの手に残っているようなんだ……」
 言ってランディは自分の両掌を見つめた。指の隙間から何かがこぼれ落ちているのが、彼には見えるかのようだった。
「……それは嫌な記憶だね、ボクにも分かるよ」
 オルハが神妙な顔で呟いた。似たような環境のクズ鉄街で育った彼女には、無関係な出来事とは思えなかった。
「その、"名も無き少女"と"欲望の箱"はコナンドラムに回収されてしまっているんですね」
「ああ」
「……コナンドラムにとって、なんの意味があるのでしょうか。ダークファルスを倒した者なのに……」
「詳しくは分からないが、彼女はオラキオの者でダークファルスを倒す"使命"を帯びていて、"英雄"好きのバーバラの興味を引いた……という所じゃないか」
「あと、"ゲーム"をより面白くするため……とも考えられませんか」
 ランディの言葉に続いて、ファビアが口を開く。
「彼女は"あんたたちの手札も残しておいてある"と言っていました。わざと剣を回収しなかったのは、"フェアでないとゲームはつまらない"ので、わざとガーディアンズの手札を残していた……という意味ではないでしょうか?」
「なるほどな……趣味が悪いな」
「……あのさ、その剣ってまだゴミ捨て場にあるんでしょ? とりあえずそれ取ってこない?」
 沈黙を破って、オルハが口を開いた。彼女の明るい声はこの場に似つかわしくないかもしれなかったが、その元気さに少し救われた気がした。
「確かに、再優先事項ですね。……ただ、例の箱が、コナンドラムの手にあるとは」
 渋い顔でファビアが答えて、ゆっくりとため息をつく。
「まあ、どちらにせよ、時間の問題のような気もしますが」
「どうして?」
「……"合"の時は、グラール太陽系自体の封印が弱まるのですわ。いかなる厳重な封印を施しても、その時は非常に弱い効果しか及ぼさなくなるのです。弱いものだと勝手に封印が解けてしまうかもしれません」
 アナスタシアが一気に言ってから、はぁ、と小さくため息をついた。そこで、不意にラジャの端末が鳴り出す。
「わしじゃ。……ふむ。なるほど、分かったわい」
 会話を終えて、ラジャは皆に向き直って、軽く咳払いをする。それから、いつも通りゆっくりと口を開いた。
「あー、みんな聞いてくれい。取り急ぎ、鑑識班からの情報が届いた。端末に送ってあるから見てくれんかの」
 ラジャの声に皆が端末を取り出し、内容を確認する。そこには簡潔にまとめられたレポートや、死体の詳細データなどが送られてきていた。
「……ジャッキーもサイレンもビーストたちも……やはり脳に改造を施されていますね」
 ファビアが神妙に口を開いた。眉間にしわを寄せ、端末の画面を睨みつけるように見ながら。
「通常の外科施術での改造に加え、やはりA・フォトンを利用して細胞の遺伝子レベルの改造を行っていますね……ですが、その技術についての詳細は不明……」
 その言葉は一同はしんと押し黙る。それもそうだ、人間の細胞を全て変質させるなど、常識で考えられる事ではなかったし、技術的にも容易な事ではない。
「……正気の沙汰とは思えませんわ」
 アナスタシアも同じように眉をひそめて、ぼそりと呟いた。まるで、湧き出す感情を吐き出すかのように。
「……」
 ランディは無言のまま、端末に吸い込まれるかのように凝視していた。

 ……ジャッキーは結局、何のために生きていたのだろう。
 作られた体で生を受け、様々な想いを持ったまま、俺の拳でそれを絶たれた。
 それで本当に良かったのだろうか……。

 ランディはそこまで考えてから、かぶりを振った。
 過ぎた事を考えても仕方ないというのもあるが、バーバラの非道な行いは許せない。自分を正当化するつもりではなかったが、自分の行動は間違っていない、と結論づける。
「……それでは、今後の行動指針をまとめます」
 アルファが顔を上げて口を開いた。
「まずは剣の回収。次にオラキオと正式に協力体制をとります。……あと、こちらから皆さんにお願いがあります。今後、皆さんはガーディアンズの通常任務より、コナンドラム壊滅、ならびにダークファルス封印を優先任務としてください」
 ミーティングルームがざわついた。それもそうだ、ついさっきランディから凄まじい話を聞いたばかりだ。
「通常任務には自由に参加して構いませんが、有事の際は何より優先して、この任務にあたってください。なお、これは"極秘任務レベル4"といたします。情報保護に気をつけてください」
「うひ〜、なんか大きな話になってきたなぁ」
 苦笑いをしながら椅子の背もたれに体重を乗せて、オルハがぼやいた。レベル4とは極秘任務として"最上級"を意味する。グラール全体の存亡に関わるような事態にしか発動されず、ガーディアンズ創立から数回しか発動された事が無いという。
「あら、その代わりレベル4に就いている者は通常任務の遂行義務が一部免除されるんですよ?」
「へ? そうなの?」
「ええ。不測の事態に備えてもらうため、任務に参加しなくても最低限の手当が支給されます。通常任務でも、遠方へ向かうものなど緊急な対応ができないものは、拒否権があります」
「うほっ! 毎日が夏休みだ!」PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe44 永遠に続けばいいのに
「オルハ、休みじゃなくて待機だからね……?」
「ま、そんなわけじゃ。大変じゃろうが、これからも頼む」
 ラジャがやれやれとかぶりを振りながら、ゆっくりと立ち上がる。
「剣の回収は、ランディ。オラキオにはアルファとオルハが向かってくれい。適任じゃろ」
「ああ……」
 ランディは頷きながら、複雑そうな顔で苦笑した。
 ……忌まわしい過去の舞台となったあの場所へ、行かなくてはならないのか……。
「ランディ」
 視線を落としたランディに、アナスタシアがそっと声をかける。それに気づいて、ランディは視線を上げた。
「わたくしも同行しますわ。だから大丈夫」
「……アナスタシア」
 ランディは呆けた顔で彼女を見上げた。その目に映る少女が、ランディにはやけに頼り甲斐のある存在に見えた。
「かっ、勘違いするなよ、怖じ気づいているわけじゃないんだからな」
「? 誰もそのような事は言っておりませんわ。単独任務は危険なのと、データを取りたいから申し出たまでですが……」
 きょとん、とした顔でアナスタシアは答える。それを見ていたオルハとイチコが、ぷっと後ろで吹き出した。
「なっ……!」
「ランディくん、腰が抜けた時はおねえさんに言うんでちゅよ〜♪」
「てめ……っ、オルハ!」
「わたくしの腕力で、あなたの大きな体を抱えられる自信はありませんが……」
 拳を見つめながら冷静に言うアナスタシアの言葉に、オルハとイチコが爆笑した。他のメンバーも笑いをこらえるのに必死だ。
「うひゃひゃひゃっ、ひゃっひゃっひゃっ……だめ、腹筋壊れる!」
「あはっ、あはははは……もう、やめてー!」
 オルハが腹を抑えながらテーブルにつっぷして、裏返る声で涙を流しながら爆笑している。隣ではイチコがテーブルをばんばん叩きながら、爆笑していた。
「この……っ、オルハあぁっ! イチコおぉっ!」
 ランディが席を飛び出して、2人に向かってゆく。2人はもちろんとっくに逃げていて、遠くできゃっきゃと笑っていた。
「鬼さんこちら〜♪」
「待て、このっ!」
 どたばたと走り回る3人を見て、皆が笑っていた。
「……ファビア、あなたもオルハについて行ってもらえませんか」
 不意に耳元で、笑いをこらえながらアルファが囁いた。
「……それが良さそうですね」
 微笑みながら軽く息を吐いて、ファビアは優しい目で答える。
「さて、今日のミーティングはこれで終わりじゃ。夜も遅いし早く帰らナイトな」
「そうですね、特に何も無ければこれで解散としましょう」
「あっと、ちょっと待ってくれ」
 ここでルディが挙手して、席を立った。
「オラキオとの会議についてだが、3日ほど時間をくれねェか? 年寄り共を説得するにゃ、時間がかかる」
「なるほど、それもそうじゃな。じゃあ、準備が整ったら連絡をもらえるかの?」
「OK。任せといてくれ。……じゃあ、俺は先に帰るぜ。またな」
 ひらひらと手を振りながら、ルディが部屋を出て行く。皆がその背中を見送った。
「アナスタシア、俺たちもカズン・ドックに行こう。腕を治さないと」
「……それもそうですわね」
 アンドリューが肩を叩いて言うのに振り向いて、アナスタシアは頷いた。
「ランディ、腕の修理が終わったら連絡いたしますわ」
「いや〜ん助けてぇ♪ けものがえっちな事をするぅ〜♪」
 見ると、捕まったオルハがランディに首根っこを押さえられている所だった。反対にはイチコが小脇に抱えられている。そんな彼には、アナスタシアの声には当然届いていない。
「……うふふ」
 優しい視線でそれを見て、アナスタシアは微笑む。
 それからふと、思い出したようにナノトランサーに手を突っ込んでひとつの箱を取り出した。朝にレミィからもらった、シュク・リームだ。
「わたくしはもう戻ります。これ、皆さんで食べてください」
「おおっ? なになに?」
「甘い匂いがするっス」
 ヴァルキリーとウィンドが反応した。すぐに立ち上がり、箱を開ける。
「おおっ! シュク・リーム!」
「ええ、レミィさんの特製シュク・リームです。とても美味しいですわよ」
「いいの? アナスタシアだって食べたいでしょ?」
「ええ、私は朝に6個ほど頂きましたから」
 ……朝っぱらから、こんな甘いものを6個も? 
 2人は目を丸くしてアナスタシアを見つめるが、彼女はそれを気にせず歩き出す。
「では、わたくしたちはこれで。行きましょう、アンドリュー」
 部屋を出る際に、ちらりとランディたちのほうに目をやる。じゃれあっている3人はこちらに気付いていないようだったが、まあいいだろう。早ければ3日後には会うのだ。
 ……しかし、さっきまでみんな死ぬかもしれない任務に就いていたというのに、元気なものだ……。
「この時間が、永遠に続けばいいのに」
 アナスタシアは、目を細めて優しく呟いた。

「バーバラ?」
 ドアが開くと、部屋は暗闇だった。ラ=シークはそれに小首をかしげて中を見渡す。
 この部屋は、本拠地に設けられたバーバラの自室だった。ラ=シークは報告があったためこちらに立ち寄り、食事でもしながらその話をする予定だったのだ。
 だが、約束の時間になっても彼女は姿を表さない。
 それでラ=シークは、直接バーバラの自室を訪ねたのである。
「……」
 ラ=シークの呼ぶ声に、バーバラは答えなかった。ソファにどっかりと座り、肘を膝に乗せて両手で頭を抱え、うつむいていた。
「……ジャッキーが、死んだ」
 しばしの沈黙の後、搾り出すようにバーバラは口を開いた。その重い言葉には、複雑な感情がこもっていた。
「なんと……いやしかし、何かの技術トラブルかもしれないですぞ」
「それは無いね、私の技術に間違いはない。ジャッキーの網膜に投影された映像データと、生体反応は常時こちらに送られる……それが、完全に消えた。ランディとかいう一匹のけだもののせいでな」
「……」
 身動きひとつせず言うバーバラに、ラ=シークは何も答えられなかった。バーバラがジャッキーを可愛がっていたのは知っていたからだ。
 そもそも、ジャッキーは人体を強制的にナノブラスト化させる、という技術の完成形でもあった。そのせいもありバーバラはなお、ジャッキーに対して深い思い入れを持っていたし、ジャッキーもそれに答えていたのだ。
 だから何も言えず、ただそのままで時間だけが過ぎてゆく。
「……今回の作戦は、彼が提案したものだったのでしたね」
「そうだ。ナノブラスト永続化技術が安定してきたから、そのテストも兼ねてガーディアンズへの宣戦布告を行い、混乱させてやるつもりだったんだが……結果としてはガーディアンズに情報を提供してしまう事になった。おまけに貴重な戦力も失った」
 バーバラが無機質な声で続けるのに、ラ=シークは口を挟めない。
「……不憫な子だったよ、あの子は。いつも自分が"作られた存在"である事を気にしていた。そんな素振りは滅多に見せなかったがね」
「……」
 バーバラの体が小刻みに震えている。ラ=シークは、彼女が泣いているのに気づいて、なおさら口を挟めなくなる。

 ……ここまで彼の事を想っていたとは。

「なぜ皆、私を置いて先に逝く?」PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe44 永遠に続けばいいのに
 その肩は震え、搾り出すような声は呻きにすら聞こえる。
「……」
 やはりラ=シークは答えられなかった。
(……んむぅ……これは困りましたね)
 ラ=シークは、複雑な状況に困り果てていた。
 投資をしている以上、バーバラのモチベーションの低下で研究が進まないのは困る。実際、バーバラの研究成果を元に、ビジネスに転用する可能性がやっと見えてきた所なのだ。
 だが、ダークファルスを復活させようなどという行いは正直理解できない。全てが滅びてしまったら、ビジネスを行う相手がいなくなるからだ。
 かといって、落胆しているバーバラを放り出すわけにもいかない。なにせ、かれこれ長い間、ビジネスパートナーとして接してきているのだ。当然、情も親近感もある。
「んむぅ……月並みな言葉で申し訳ないですが、とにかく落ち着かれた方がよろしいかと」
「うるさいね、お前に何が分かる? お前は金さえ出してればいいんだよ。研究対象に対する愛情は、お前には分からん」
 吐き捨てるように言って、バーバラはこみあげる嗚咽をこらえる。ラ=シークはゆっくりと息を吐いて、また沈黙が訪れた。
(ママ……)
 バーバラの頭の中を、様々な想いが交差する。
 母親の思い出、学会で権威だった頃の華やかな時期、そしてそれからの苦悩の日々。
 それら全てが頭の中をぐるぐると回る。

 ……何故だ。何故みんな私を置いてゆくんだ。
 私の素晴らしさを理解してくれる者が、何故死ななくてはならないのだ。理解できない無能な奴らが、何故のうのうと生きているんだ。
 ならば、もっと大きな力を見せてやろう。素晴らしさを教えてやろう。
 下衆な奴らにも、簡単に分かるように私の力を見せてやれば、きっと私の素晴らしさが理解できるだろう……。

「くくっ……ふひひっ」
「……?」
 不意に笑い出したバーバラに、ラ=シークは不思議そうな視線を向ける。
 ゆっくりと上げたバーバラの顔は、怒りと憎しみに満ちた笑みを浮かべていた。
「そうだ、早くダークファルスを復活させてやらなければ。そうすればきっと理想郷が完成する。私は英雄として君臨する、見ておけ小娘め……そして、ジャッキーを殺した事をあのけだものに後悔させてやる……ふははっ……ふは、はふぅ、はぁぁああ」
「……」
 ラ=シークは何も言わずに、鼻を押しつぶして笑うバーバラを見ていた。心中は複雑だったが、感情を顔に出さないようにしながら。
「大丈夫だ、私の技術はガーディアンズに研究された所で理解できるはずはない。大丈夫だ」
 バーバラは自分に言い聞かせるように言って、大きく息を吸ってからゆっくりと吐いた。
「ところで、"合"に向けての準備は進んでいるのか?」
「……ええ、ですが難航しているというのが正直な所ですぞ」
「何故だ?」
「ガーディアンズがSEED落下を止めるため、封印装置を起動する大規模な作戦を"合"に行う様子。その関係でガーディアンズたちがあちこちに出没しており、こちらの動きが大幅に制限されているのです」
 ラ=シークが冷静に言うのを、バーバラは睨みつける。何か言いたそうな顔だったが、あえて何も言わなかった。
 いくら封印が弱まるとはいえ、ダークファルスを完全な状態で復活させるには大掛かりな封印解除装置が必要となる。その準備には莫大なコストと時間がかかる事をバーバラ自身もよく分かっていたし、技術的な部分はバーバラが指揮を取っている。
 ラ=シークを攻める道理はなかった。
「……完全な状態でなくても良いのであれば、あえて時期を遅らせるのも得策かもしれませんな。かなりのリスク減少が期待できますぞ」
 ラ=シークが視線を逸らしながら、独り言のように呟いた。
 現実的に考えて、ガーディアンズが明らかに警戒している時期を避けるというのは、確かに合理的ではある。
 同時に、ダークファルスを復活させたくないという、彼の本心である事も間違いなかった。
「ふむ……」
 意外にも、バーバラはその言葉にうなり声を漏らす。現状の厳しさを理解しているからか、ラ=シークの言葉に不本意ながら納得した、という所だろうか。
「……まあいい、それはおいおい考えてゆく。それで、イオリとC4は何をしている?」
「イオリ殿はグラール教団の情報を定期的に送ってくれております。まあ、内容は戦いの事ばかりであまり期待はできませんが」
「構わんよ、最後の戦いではあいつの力が必要になる。好きにやらせてやれ」
 ラ=シークが両手を広げて言うのに、バーバラは振り向きもせず答える。
「C4殿は各地の情報収集を行わせ、ガーディアンズの動きを逐一報告してもらっています」
「なるほど、確かに離れた所の情報を同時に集めるのは得意だからな。そういえば、オルハとかいうガーディアンズに随分ご執心のようだが?」
「特に怪しい行動は取っておりません。大丈夫でしょう」
「……まあ、構わんか」
 それからバーバラはゆっくりと息を吸って、足を組み替えた。
「とにかく、できるだけ早くダークファルスを復活させろ」
 そこで一旦言葉を区切って、ゆっくりと息を吐いてから、呟いた。
「こんな世界など、早く終わってしまえばいい」

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