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PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる時の半世紀の終りに〜 universe39 折れたもの、壊れたもの

 良くない状況だと、アナスタシアは素直に思った。
 先ほどの攻撃でルディは壁に叩きつけられ、思わぬダメージを受けてしまった。
 敵兵力は残り3体、サイレンとキャストが2体だ。とはいえ、敵はまだかなりの兵力を持っている。今この瞬間にでも、退路を塞がれてしまうと面倒な事になるのは目に見えていた。
 ……SUVウェポンを呼び出すか? いや、あの破壊力ではレリクスを傷つけてしまう可能性がある……。よほどの事態でない限り、それは避けたい……。
「てんめェ……!」
 ルディが手をついて起き上がりながら、怒れる視線を向ける。激しく体を叩き付けられ、顔には痣が浮かび額や唇の端には血が滲んでいる。
 サイレンをかばうように、2人のキャストが立ち塞がった。
「畜生! 行くぞ、ボーズ! ぶっ壊してやるぞ!」
「了解っす! ……ルディさんも結局、壊すの好きなんじゃないっスか?」
 ルディとウィンドが地面を蹴って飛び出す。それをアナスタシアとアンドリューの銃弾が援護し、弾丸はその装甲で火花を散らす。
「っしゃああ!」
 振り上げられたルディの剣が、凄まじい速さでキャストを斬りつける。あまりの速さにその剣の残像が軌跡として残り、撃ちつけられた頭部が激しい火花を散らした。キャストはあまりの衝撃によろめき、動きが止まる。
 それに続いて、もう一体のキャストをウィンドが切りつける。得意の低姿勢からの飛び込みから、両手の剣で斬り上げる。
「メァル、私のテクニックに合わせて、ゾンデを!」
 ファビアが杖を構えて振り向きながら言う。
「うむ、"コンダクトサンダー"じゃな?」
「はい! ……凍える爆発よ、目標を包み込め……」
「……いかづちよ、わらわの剣となることを許す……」
 まるで、打ち合わせていたかのような同時タイミングの詠唱が始まり、最後に2人同時にすっ、と息を吸う。
「ラ・バータ!」
「ラ・ゾンデ!」
 ファビアの杖から、小さな氷塊が放出される。それと併走して、メァルの放った雷球が続く。前衛のキャスト2人の目前で、2つの球がぶつかって弾けた。
「!?」
 キャストたちは思わず顔面を庇う。だが、それは爆発によってダメージを与えなかった。
 目の前で、氷の中に雷が覆われて混ざり合い、融合してゆく。まるで、円形の水槽の中に雷雲を飼っているような、そんな光景だった。キャストたちは腕の隙間から、おそるおそる覗き込んで様子を見る。
 次の瞬間、突如、弾けた。
「!」
 ほとばしる青白い光。その間を縫うように、黄金色の電撃が走る。
 キャストたちは反応できない。冷気に包まれ動作が鈍くなった所に、雷がボディを打つ。強制的に叩き込まれた高電圧に、体のあちこちがショートし、小さな爆発がいくつも起こった。
 2人のキャストはぐらりとよろめいて、煙をあげながらがくりと膝を落とす。
「"コンビネーション"ですか……さすがですわね」PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe39 折れたもの、壊れたもの
 それを見ていたアナスタシアが、ぼそりと呟いた。
 "コンビネーション"とは、フォース同士が個々のテクニックを融合させ、その威力を増大させる技術だった。だが、これを成功させるにはかなりの熟練を必要とする。相手のテクニックのタイミングや威力など、全てを同調させなくてはならないからだ。
 ほぼ初対面でコンビネーションを成功させるとは、この2人の技術はかなりのものだと思って間違いなかった。
「!」
 不意に、サイレンのシャドゥーグが飛んだ。器用に一同の間を掻い潜って、アナスタシアとファビアの間に入り込む。
「シャドゥーグが! 全員警戒を!」
 アナスタシアが咄嗟に叫ぶ。それと同時にシャドゥーグが唸り、フォトンレーザーが吐き出された。
「!?」
 それは、明らかにアナスタシアを狙っていた。
 咄嗟にダガーを構え、まずは一本目。体を右に逸らしながら、ダガーでかすめて外側へと逸らす。完全に回避するのは簡単だが、ファビアとメァルがいるのでそれはできない。刃の角度を調整して、大きく横に逸らそうとする。
「く……っ!」
 びりびりと手に伝わる振動。このレーザーは質量が非常に重い。気を抜けばダガーごと持っていかれかねない。
 腰を落として、なんとか弾く。
 レーザーはその角度を大きく変え、部屋の壁へとぶつかった。
「うわあぁぁぁ! レリクスがっ!」
 遠くでルディが叫んでいたが、そんな事を気にしている場合じゃない。
 直後、もう一本が来る。一本だけでもこれだけ苦労するのに、もう一発というのは正直うんざりだ。
「いいやあぁぁぁぁ!」
 ばちっ、とダガーとぶつかって火花が飛ぶ。もう一度、先ほどと同じように横へと逸らす。腕ががくがくと震え、握力が弱くなっているのに気付く。これだけ短時間に筋組織に負担をかけてしまうと、さすがに力が入りにくくなる。ただでさえ、筋力に優れているわけでもないのに。
 もう少し、あと少しだ。ぐん、と腕を横から振り上げる。まるで重い物でも持っているかのように、腕と腰にどっしりと負担がかかる。
「やあぁぁぁっ!」
 レーザーが通り過ぎると、ぶんと腕が振り上がった。ふっと腕が軽くなり、アナスタシアはそのままの勢いで後ろに吹っ飛んでしまった。
「おっと! 大丈夫ですか?」
「え、ええ……なんとか」
 咄嗟にファビアとメァルがアナスタシアを受け止めてくれる。非力なニューマンでも、2人であれば問題ない。
「……そもそも、テクニックの素養の無いキャストが、何故ここまで自在にシャドゥーグを扱えるのでしょう?」
「これもバーバラの研究の成果でしょうか。脳波のチャンネルを切り替えることで、2体同時に扱う所までは説明がつくのですが……」
 立ち上がりながら、アナスタシアは独りごちるように呟く。
「記憶をコピーした所で生まれ持った素養が変わるはずなど……」
 ファビアが口ごもった。口を手で覆って、視線を落とす。少しだけ押し黙って、視線を泳がせた。
 それから、深刻な顔でゆっくりと口を開く。
「……もし、その"まさか"だとしたら? 遺伝子レベルの情報をコピーできるとすれば……どうです?」
「!」
 ファビアの言葉の意味する所を理解し、アナスタシアが驚きと怒りの視線でファビアを見上げる。
「とにかく、詳しくは彼を倒せばはっきりすること。増援が現れる前に、いきますわよ」
 その声にファビアは頷いた。真面目な表情で、サイレンを見据えて。
「ルディ、ウィンド! 一気に片づけますわよ!」
 言いながらアナスタシアは左手のマシンガンを放り込み、ダガーを取り出す。両手に1本ずつのダガーを構え、飛び出した。
「ファビア、メァルは後方からの援護を続けて! 増援がいつ来るか分かりません、背後には気をつけてください!」
 アナスタシアは言いながら、ウィンドに向かって走り続ける。
「道は切り開くものっス!」
 ウィンドの剣が唸った。身動きの取れないキャストに右手で一撃、すぐに左手でもう一撃。そのまま返す刃でさらに一撃。キャストは1歩後ずさる。
「ウィンド、そのまま!」
 アナスタシアの声にウィンドは思わず一瞬動きを止める。ぽん、と両肩に感触が伝わる。すぐにぐんと力がかかってから、肩が軽くなった。
「え……?」
 アナスタシアの体が、宙を舞っていた。
 ウィンドの肩に両手をついて、飛び箱の要領で飛び上がったのだ。そのまま空中でくるりと回転して、キャストとサイレンの間に着地する。
「俺を踏み台にっスか!?」
 そしてすぐ地面を蹴って、サイレンめがけて一直線に飛び出した。シャドゥーグは狙撃能力は高いが、接近戦には向かない。サイレン本人さえ落とせば、この戦闘を終わらせることができる。
「目標、想定通りに接近。迎撃開始」
 相変わらず無機質な声で、サイレンが言った。その真意は非常に気になるものだったが、今更どうすることもできない。
「いやあぁぁっ!」
 右のダガーを振り上げた。このまま勢いを乗せて叩き斬るために。
 突然がつん、と音がして、振り上げた腕が後ろに弾かれた。勢いを乗せていた反動で、アナスタシアは尻餅をついて、不様に転倒する。
「!?」
 何が起こったのか分からない。痛む手首を支えに、体を起こして見渡す。目の前にシャドゥーグが、あざ笑うようにふわふわと浮いていた。
「なるほど、手首への体当たり……体重が乗り切ったその瞬間を狙えば、その小さな衝撃でも大きな効果をあげられますわね」
「……」
 サイレンは何も言わずに、アナスタシアを見下ろす。あまりにも冷静なその視線に苛ついて、まるで跳ね返すかのようにそれを睨み返す。
 不意に、サイレンが口を開いた。
「なぜ、我が部隊が総員24名なのか……あなたに理解できますか」
「……?」
 予想外の問いが投げかけられて戸惑う。彼が期待している答えが、まったく想像すらできなかった。
「……質問の真意が分かりかねますわ」
「難しい事ではありません。2、3、4、6、8、12の公倍数だからです」
「……状況に応じて部隊編成を自在に変えられる、とでも言いたいのですか?」
「その通りです」
 サイレンは不敵に笑って、呟くように答えた。その言葉に反応して、アナスタシアはきゅっと唇を噛む。
「想定される状況を考察し尽くし、状況に応じて戦術を変える。兵法の基本です」
「……それが何なんですの? 言われなくても分かっていますわ」
 アナスタシアは苛だった声で答えた。戦闘中にこのような押し問答をする事こそ、意味の無い事ではないのか?
「時と場合によっては、手の内を明かす意味のある時があります」
「……?」
「1つは、目標を誘い込み、想定する戦術通りに動かしたい時。2つ目は……」
 言ってサイレンは、ナノトランサーに両手を突っ込む。
 その手に握られたのは……さらに2つのシャドゥーグだった。
「!」
「目標に、圧倒的な恐怖感を与えたい時」
 ヴン、と唸って、4つものシャドゥーグが飛び出した。
「アナスタシア! 増援が!」
 同時にファビアが叫ぶ。入り口の向こうから、10数人のキャストたちが走ってくるのが見えた。
 ……追跡と撃破を急ぐばかりに、敵の術中にはまってしまった。アナスタシアはぎりっと下唇を噛んで、眉間に皺を寄せる。
「私は! 負けるわけにはいきません!」
 アナスタシアが飛びかかった。まるで追い詰められた鼠のように。進む道は前しか無いかのように。
「愚かな」
 4つのシャドゥーグがアナスタシアを包囲した。四方から一度にレーザーが発射される。PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe39 折れたもの、壊れたもの
「!」
 ひとつ、ふたつと体をひねってかわす。
 次の瞬間、左肩から衝撃が襲う。ゴキンと嫌な音がして、まるで空を飛んでいるかのような浮遊感を覚える。そして今度は反対側から。右の腰に衝撃が伝わる。あまりの衝撃に、視界がチカチカとフラッシュを見せる。
 ぐんと体がよじれ、きりもみ状に宙を舞った。ぐるぐるとおもちゃのように激しく回転して平衡感覚が無くなってから、地面に叩きつけられた。ボキンという音と共に、左手の感覚が無くなる。
 おそるおそる目を開けると、腕は根元から折れてしまって目の前に転がっていた。よく見れば、体のあちこちのパーツが破損し、塗装も飛び散っている。
 視界の奥に映る、皆の動きがいやに遅く思えた。
 ルディは叫びながら目の前のキャストを斬り伏せ、こちらに近寄ってきている。ウィンドもまた然りだ。ファビアは驚いた顔で何かを叫んでいるし、メァルも眉間に皺を寄せて何か言っている。アンドリューもこちらと増援の方を慌てて交互に見ていた。
「……く……!」
 アナスタシアは絞り出すようにうめいて、眼前に右手を持ってくる。ゆっくりと指を広げてから、そのまま指を閉じた。
 ……まだ握れる。ダガーもこの手の中にある。
 ボディの損傷度は……33%、自己修復はほぼ不可能。軽傷とは言えないが望みが無くもない。
 左腕が折れてしまうとバランスが取りにくいし、ここは弱点です、と言っているようなものだ。
「……ですが」
 奴らの術中通りになっているという油断につけこめば、何とかできるかもしれない……。
 アナスタシアはそう思いながらゆっくりと立ち上がって、サイレンを睨みつけた。
 ……非常に気分が悪い。今まで、ガーディアンとして順風満帆だったはずだ。数多くの任務に関わってきたが、ここまで厳しい目にあった事がない。ここまで面倒な任務など知らない。
 前回の事といい、まるであの女にこちらの動きを読まれているような気にさえなる……。なぜここまで、手玉に取られるのだろう?
 ……それだ。
 アナスタシアは、はっと気付く。
 物理的損傷云々の話ではない。ガーディアンとしてのプライド、そして1人の人間としてのプライド。
 それが許せないのだ。
 ここでやっと、まるでトンネルから外に飛び出したかのような感覚に襲われ、辺りの音声が聞こえてくる。
「うおおおおっ!」
 ルディが叫んびながら走ってアナスタシアを飛び越え、サイレンへ向かって突貫する。ウィンドもキャストを打ち倒し、アナスタシアに駆け寄った。
 2人とも手傷を負っており、万全とは言えない。良い状態ではなかった。
「アナスタシアさん、大丈夫っすか!?」
「……非常に気分がいいですわ」
 ウィンドに肩を借りて立ち上がりながら、アナスタシアはうつむいたままで、ぼそりと呟く。
 あまりに静かな低い声に、ウィンドは思わず硬直した。
「……え?」
「生まれて初めてですわ……誰かの脳味噌をぐっちゃぐちゃに犯してやりたい気分になったのは」
 いつもの口調で淡々と、アナスタシアは言った。それにウィンドはびくっと震える。
 ……今、なんと言った?
「ウィンドは入り口を塞いでください。増援を中に入れてはいけません。大丈夫です、こちらはすぐに片づけます」
 アナスタシアは何事も無かったかのように立ち上がりながら、ウィンドに指示を出す。その気迫に押されたのか、ウィンドは頷いてから入り口へ向かう。ファビアとメァルを中に入れ、入れ替わりに仁王立った。
「戦況は明らか。負け戦と分かっているはず」
 4つのシャドゥーグを漂わせながら、腕を組んだままでルディの一撃をひらりとかわして、サイレンが言った。
「あら、頭脳のコンピューターが旧型なのですわね。確率計算のみで理論飛躍ができないのは愚かな証拠ですわ。可哀想に」
 アナスタシアの挑発めいた言葉にサイレンがぴくりと震える。彼がもし精巧な表情を作る事ができたなら、明らかにムッとしていただろう。
「……? この状況を目の当たりにしながら、なぜそう判断するのです?」
「勝てる勝てないではありません」
 不思議そうなサイレンの声に、アナスタシアはゆっくりと口を開く。
 そして、力強い声で言い放った。
「わたくしが勝つと、決まっているからです」
 すぐに、アナスタシアは走り出す。
「ルディ、サイレンを!」
「おっしゃあぁぁぁ!」
 ルディがぼろぼろの体で、上段へ剣を振り上げる。そこへシャドゥーグが二の腕を下から突き上げ、剣を振らせない。
 もう一つのシャドゥーグが背面にまわりこみ、ルディの背中にレーザーを浴びせる。
 前に2、3歩よろめいて、背中の焼けるような痛みに片膝をつく。
「ぐあっ……! このメカ野郎めッ!」
 だが次の瞬間、サイレンは目の前の光景に、一瞬動きを止めた。
「まず、ひとつ」
 ルディにレーザーを放ったシャドゥーグが、ばちばちと火花を飛び散らせていた。
 アナスタシアのダガーに貫かれていたのだ。
「ルディ、大丈夫ですか?」
「ははっ、俺をオトリに使うたァいい根性だぜ」
「すいません、でも合理的だとは思いませんか?」
「違いねェ」
 いやに微笑みながらアナスタシアが言うのに、ルディもケラケラ笑って答える。
 それから2人はサイレンに向かって飛び出した。
 サイレンがルディの上段斬りを紙一重でかわした直後、アナスタシアのダガーが襲う。下からの斬り上げを上体を逸らしてかわす。
 ここでまた、シャドゥーグが飛んだ。2つはルディに、1つはアナスタシアに。背面の死角に回り込み、レーザーを放つ。
 だが、2人ともかわそうとはしない。レーザーをもろに受けて、それでも立っていた。
 アナスタシアはまるで爪楊枝でたこ焼きでもひっくり返すのように、ルディを狙う2つのシャドゥーグをダガーに突き刺してゆく。レーザーを受けた背中が、ばちばちと火花を散らせていたが、そんなもの気にもしていないようだった。
「……! 理解不能。そのような無茶な作戦は私のデータにありません」
 明らかに、サイレンは動揺していた。本来一定量の合成音声が、僅かに震えている。
 これを"気迫に押された"と形容せずして、どう言うのだろうか。
「理解など、する必要はありませんわ」
 言いながら体を屈め、地面と足で挟んで突き刺さったシャドゥーグをひっこ抜く。
 ぐしゃっ、と音を立ててシャドゥーグを踏み潰しながら、アナスタシアはいつものような冷静な声で、続けた。
「何故なら、体に教えて差し上げますから」
 ……サイレンの不幸は、"空気が読めた"事だろう。
 単純に"敵指揮官の片腕 > シャドゥーグの破損"の計算式を信じる事ができれば、動じる事も無かっただろうに。
「理解不能、理解不能!」
 サイレンが震える声で繰り返すのも気にせず、アナスタシアは、右手を天に仰いだ。
「本部へ要請!」
「ちょ、おい! それはマズいだろっ! 遺跡を壊す気かっ!」
 気づいたルディが慌てて叫ぶがすでに遅く、アナスタシアは気にせず続ける。
「SUVウェポン・グロームアタッカー使用許可を!」
「くっ……!」
 残り1つのシャドゥーグがアナスタシアに向かって飛ぶが、すでに遅い。2門の砲門が彼女の両脇に降り立ち、まばゆいフォトンの光を放ち出す。
 次の瞬間、ほとばしるレーザーが放出され、シャドゥーグもろともサイレンを巻き込んだ。
「ぐああぁぁぁぁっ……! 理解不能、理解ふの……!」
「あなたは理論計算がお得意なのでしょうが、わたくしの頭脳には適わなかったようですわね。相手が悪かった事を……後悔なさい!」
 ゼロ距離射撃の直撃を受け、サイレンの装甲がまるで土くれのようにぼろぼろとはげていく。外装の無いサイレンは口をぱくつかせ、何かをずっと繰り返していたようだったが、首が折れて転がると、それもやがて止まった。
 レーザーの照射が終わり、骨格だけとなったサイレンの体がゆっくりと膝を落とす。そのままぐらりと傾いて倒れ、乾いた金属音が響く。
 サイレンだったものは、そのまま動かなくなった。

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