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PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる時の半世紀の終りに〜 universe37 新たな脅威

「……ダークファルス」
 ファビアは神妙な顔で、もう一度繰り返した。
 伝承でしか聞いた事のない、1000年に一度復活すると言われる破壊神。全てを無に帰す、恐るべき存在……。
「だが、グラールでダークファルスが現れた記録は無い筈じゃが……?」
「あァ、公式にはね」
 メァルの問いに、ルディは静かに答えた。
「とりあえず詳しい話は後にして、コナンドラムの連中を追いかけてェんだが?」
 別に慌てているわけでも、怒っているわけでもない。とにかくルディは、冷静にそう続けた。
 それを聞いて、アナスタシアが眉をぴくりと動かす。そう、彼らは"コナンドラムを知っている"のだ。少なくともガーディアンズと同じか、それ以上の情報を持っていると判断する。
「そこまで知っているのですね……後で、あなたたちの持っている情報と、ガーディアンズの情報を交換する必要がありそうですわ」
「あァ。あいつらを追い出した後に詳しい話をさせてくれ」
 ルディが腰の剣を抜き、ひゅんと振りかざした。金属製の剣はわずかな赤に鈍く光る。赤色がかった金属はけして珍しいものでは無かったが、このような微妙な色合いに光るものは珍しかった。
「それは……珍しい金属のようですわね」
「ん? あァ、俺も詳しくは知らねェんだが、"ラコニア"というレアメタルさ。フォトンは味気なくていけねェ」
 言いながらルディは振り向いて、他の者たちに向かって続けた。
「後は俺がついて行く。お前らは、入り口で待機しててくれ。……ッと、ケガ人がいたか」
「私が治しますよ」
 ルディが呟くのに、ファビアが口を挟む。それから長杖を振りかざした。
「癒しの力を我に……レスタ!」
 温かい光が溢れ、包み込んでゆく。先ほどの交戦で傷ついていたオラキオの若者たちが、みるみるうちに塞がる傷口を見て、感嘆の声をあげた。
「すまねェな、助かる。オラキオの一族はテクニックの素養があまりなくてね。……じゃあ、行こうか。案内するぜ」
 言ってルディが歩き出すのに、アナスタシアたちは後ろから続いた。

「あいつら、手当たり次第だな」
 地下2階をしばらく進んだ所で、ルディがあきれた口調で呟いた。
 道中の柱は表面を削いで剥ぎ取られ、装飾物は根元からもぎ取られている。
「……ひどいですね、これは」
 見渡しながら眉を潜めて、ファビアが答える。
「ですが、この現状を見る限り、コナンドラムの目的は情報収集だと考えて良さそうですわね」
「しかし……情報を集めてどうしようというのでしょうね」
 ファビアの答えに、アナスタシアは首をかしげて両手を開き、お手上げを表現しながらため息をついた。
「それを見極めるためにも、早くコナンドラムと接触しなければいけませんわ」
 言いながら、一同は奥へと進む。すぐに細い通路が続いていた。まっすぐに伸びる道の左手に、通路が分岐している。
「とりあえず、左に行ってみねェか? ここはすぐ行き止まりになるから、この先を調べてから、奥へ進もう」
 それに反対する者はいない。一同は細い通路に入ってゆく。
「……そういえば、オラキオは何故グラールに来たんだ?」
 歩きながら、アンドリューが聞いた。ふと思い出したような、何気ない質問をそのまま口にしたようだった。
「ああ、さすがに大昔なんで詳しくは知らねェが。住んでいた惑星が爆発し、逃げだしたらしい。そんでたどり着いたのがこのグラールだ」
「惑星が? 爆発?」
「そうだ。ダークファルスに滅ぼされた」
 しんと空気が張り詰め、無言の時間が訪れる。当時の人々の想いは、当然知る事などできない。
 だが、自分が住んでいた星々が壊滅する――その痛みを少しでも理解しようと、皆は思慮を巡らせた。
「だから俺たちは、500年以上も前からダークファルスについて様々な情報を調べあげてる。だからこのレリクスについても詳しい。あんたらガーディアンズよりもな」
「ふむ……」
 ファビアは顎に手を当てて視線を落とした。確かにグラールには、ダークファルスが現れた記録が無い。ダークファルスの情報においてはオラキオに一日の長がある。
「ならば、このレリクスは何のために? グラールにもダークファルスは存在していたと?」
「いや、俺たちが調べた所では、その形跡は見当たんなかったがな。単純に奉っていただけじゃねェかな」
「……そういえば」
 2人の会話に、思い出したようにメァルが割って入る。
「先ほど、わらわが『グラールでダークファルスが現れた記録は無い筈じゃが』と言った際にお主は答えたな。『公式には』と」
 ルディはその声に、神妙な顔で頷く。別に慌てるわけでもなく、ただ静かに。
「表沙汰になっておらんだけで、グラールにもダークファルスは存在しているという事を、お主らオラキオは知っているという事かの?」
「あァ、それか。簡単なことさ」
「簡単な事……じゃと?」
 ルディの声にメァルが首を傾げる。ルディが何を言わんとしているのかが、見えなかった。
「ダークファルスってのは生命体じゃねェんだ。場所や時間に関係無く"深淵なる闇"より生まれてくるモンだ。だから、非公式に存在していてもおかしくはねェ……って事さ」
 それを聞いた一同に、暗く重い空気がのしかかる。身近に現れるはずのなかった恐ろしい現実が、目の前にあったという事実は衝撃的であった。
「まっ、どんな相手でも俺がなんとかするっスよ!」
 突然両手を振り上げてぐるぐる回しながら、大きな声でウィンドが言う。皆がゆっくりと振り返り、微妙な空気でウィンドを見つめた。
「……お前のその前向きさは、呆れを通り越してうらやましくなるよ」
 アンドリューがため息をつきながら、両手を広げて呟いた。
「後で仕置きじゃな」
「ひいぃぃぃ! ドキドキ」
「……喜んでおるのか?」
 ぷっ、とアナスタシアが吹き出した。まるで台本があるかのような秀逸なやりとりが、あまりにもおかしかった。
「あ、アナスタシアさん、やっと笑ったっスね!」
「え?」
 ふと、意外な声をかけられて、アナスタシアは目を丸くして振り向いた。
「ずっとむすっとした顔をしてるから、怖い人だと思ってたっスよ!」
「うむ。わらわも同じような事を考えておったの」
 言われてアナスタシアは複雑な顔で微笑んだ。
 ……別にそういうつもりではなかったので特に意識はしていませんでしたが、初対面の相手からはそう見えるのですね……。
「アナスタシアは、真面目すぎるのかもしれませんね」
 ファビアが、ぽんと肩に手を置いて、優しく続けた。
「別に貴方を攻めているわけではないですよ。いい加減な事をするよりは、ずっといい事です。だから私は、あなたに背中を預けられるんです」
「……ありがとう、ファビア」
 ファビアが笑顔で続けるのに、アナスタシアはわずかに頬を赤らめて答えた。
「俺は普段のアナスタシアも見ているからなぁ。プライベートと仕事をきっちり分けれるのって、立派だと思うけど」
 アンドリューも腰に手を当て、素直な気持ちをそのまま口にする。
「ガーディアンズなんてただの寄せ集めかと思ってたが、ちゃんとした信頼関係で成り立ってんだなァ」
 それを見ていたルディが、目を丸くして不思議そうに呟いた。
「あなたたちほど、大きな横の連帯はないですけどね」
「大きさの問題じゃねェのは、あんたもよく分かってる事だろ?」
 ファビアの言葉に、ルディがいたずらに微笑んで答える。
「ふふ……違いないですね」
「だろ。……まあ、あんたらもなかなかどうして話が分かるじゃねェか。協力体制、前向きに提案しとくぜ」
「ありがとうございます。助かりますわ」
 ルディの心強い声に、アナスタシアが微笑みながら軽く頭を下げた。
「ま、それはこいつが片付いてからの話だな。ちゃちゃっと終わらせちまおうぜ」
 ルディの声に、一同が深く頷いた。

 地下3階に降りると、幅20メートル四方ほどの広さがある広間へとたどり着く。PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe37 新たな脅威
「ここは儀式や集会なんかを行う時に使われてたみてェだな」
 ルディの声に辺りを見渡してみるが、なるほど、確かにかなりの人数が収容できそうだ。
「奥にはいくつか小部屋がある。それでこのレリクスは全て終わりだ」
「なるほど。……さて、コナンドラムの連中はどこにいるのでしょうか」
「この辺にいねェってことは、奥の小部屋だろうな。警戒して行こう」
 ルディが奥を指さして言うのに皆が頷いて、ゆっくりと歩き出した。
 しばらく進むと大きな階段があり、中2階といった高さに通路が続いている。しばらく進むと正面に扉があり、左右にも道が広がっていた。
 その時だった。
 がしゃっ、というわずかな音にアナスタシアとルディが視線を向けた。右側の通路から、わずかに人影が覗く。紫色のキャスト……間違い無く、コナンドラムの兵だ。どうやらこの近辺を警護していたらしく辺りを見渡しており、ばっちり目が合う。
「!」
 アナスタシアとルディが疾風のように飛び出した。
 キャストも慌てて銃を構えるが、すでに遅い。アナスタシアのダガーが右腕のアーマーの隙間を切りつけ、右手がだらりと下がる。直後にルディの一閃。左肩を脇から斬り上げ、やすやすと切断してしまう。銃を持ったままの左腕はくるくると回転しながら、宙を舞った。
「なっ……!?」
 反撃の隙など与えない。アナスタシアが左に回り込み、大きく足を振り上げ、後頭部を激しく蹴りつける。よろめいた所に、ルディが剣を袈裟掛けに斬りおろした。
 キャストの上半身が、飛んだ。左肩から右胸を一瞬で切断されてしまう。
 離れた下半身ががくりと膝を落としてその場に倒れ込み、ふっ飛んだ上半身をアナスタシアが見事にキャッチ。遅れて落ちてきた、銃を持ったままの左手をルディが受け取った。
「あンた、やるな。そんなちっこいのに」
「貴方こそ、素晴らしい腕前ですわ。あと、物理的質量の話は余計なお世話です」
「ははッ、悪い悪い。それより」
 言ってルディはアナスタシアに抱えられたキャストの頬を平手ではたく。
「いろいろ話を聞かせてもらおうか?」
「……!」
 キャストは顔色こそ変わらないが、明らかに動揺し恐怖していた。そこへ、残りの皆が集合する。
「心配すんな、素直に喋ればこれ以上どうこうしねェよ。あんただって、ぶち壊されンのは嫌だろ?」
「喋らないのであれば脳から直接データを吸い出させて頂きますが、素直に喋るのとどちらがお好みですか?」
 キャストは無言でがくがくと首を縦に振る。状態が状態だ、抵抗しようなどと思えるはずがなかった。
「それで、コナンドラムの目的はこのレリクスの情報収集なのですか?」
「あ……ああ。バーバラ様の命令でここに来てる。ひとつでも多く、ダークファルスの情報を集めろと」
「集めてどうすンだ? バーバラは脳味噌いじりしか興味無いんじゃねェのか?」
「詳しくは分からない。とにかく情報を集めろと言われた。それ以上はさっぱり分からない」
 ルディは頭をポリポリと掻いて、困った表情を見せる。
 ……そこまで重要な情報を期待していたわけでもないが、何も知らされていないわけがない。なぜなら、何も知らない者を探索に出した所で、情報の重要度が分からないので意味が無いからだ。
「分かった分かった、じゃああんたらの隊長は? どんな奴でどんな能力を持ってやがるンだ?」
「隊長はサイレン様……キャストで、シャドゥーグの使い手だ」
「シャドゥーグ……? おかしいですね、キャストに使いこなせるはずがないはずですが」
 ファビアが、キャストの声を聞いて、呟くように言う。
「そうじゃ。シャドゥーグはフォースとしての素養がないと、威力を引き出せないのではないかえ? キャストに使いこなせるとは思えないのじゃが」
 メァルがそれに続いて言うのに、ファビアが頷く。
 シャドゥーグというのは精神をシンクロさせ使用者の脳波を受け取る事により使用する、自動射撃装置の総称である。その形状は様々で、動物のようなものから花を象ったようなものまで、数多くの種類が存在していた。その威力や操作は使用者の精神的な素養に依存しており、生まれつきテクニックの素養に恵まれないキャストにとって、使いこなせるものではなかった。
「そうですわね。キャストがシャドゥーグを使っているなど、聞いた事がありませんわ」
「詳しい理屈は分からねェが、それで隊長格だっつー事は使いこなせているわけだろ。油断はできねェな。……それで」
 ルディはまたキャストの方を振り返って、続ける。
「他に何か変な事はしないだろうな? ガーディアンズのSUVウェポンみたいな切り札持ってるとかさ」
「別に……何もない」
 キャストは視線を落としてから答え、それから視線をルディに戻して続ける。
「ただ、腕は一流だ。お前らは蜂の巣にされ……ぐっ」
 そこまで言いかけた所で、ルディの拳が顔面を殴っている。
「そんな話は聞いてねェ。で、合計何人だ? さっき俺らと交戦した時は、かなりの数がいたよな?」
「私を合わせて……24人だ」
「結構な人数がいますわね。……それで、この先には何が? 意味があるから見張りをしていたのでしょう?」
「……この先に本部を設置してるし、探索も続けている」
「それだけ聞ければ充分ですわね……よいしょ」
 言い終わるかどうかのタイミングで、アナスタシアはその上半身を下ろして、壁際に寄せた。
「それでは、しばらくそこでお休みくださいな」
「ちょっ……!」
「じゃァな」
 振り向きもせず歩き出すアナスタシアに、手をひらひらさせながらにやけた顔のルディ。2人は奥へと向かって歩き出す。
「大変だなぁ、あんたも」
「あはは、頑張ってくださいっス!」
「まぁ、そのうちお仲間が見つけてくれますよ」
「そうじゃ。心配しなくてもよいぞ」
 一同がぞろぞろ歩きながら、思い思いに言葉をかけてやる。キャストは今にも泣き出しそうな表情――はできないが、そんな空気を醸し出しながら一同を見送った。
「さて、行きますよ皆さん。目的はキャスト隊隊長サイレンの破壊もしくは捕獲です」
 一同が答えながら、右側の通路へ向かってゆく。
「武勇に優れるオラキオがコランドラムに道を譲ったと聞いて不思議に思っていましたが、納得しました。数が多いのですね」
 歩きながらアナスタシアがルディに声をかける。
「ああ。しかもあいつら、同じコピーを使ってやがるせいか、動きの統制がやたらと取れている。それは気をつけた方がいいぜ」
「了解。こちらも孤立しないよう、連携を取って動きましょう。ルディ、前線はお任せできますわね?」
「もちろんだ。そこの若いの――ウィンドといったか。俺についてこい」
「ういっス」
「わたくしとアンドリューが援護射撃を、ファビアとメァルがテクニックで援護を。孤立には気をつけて戦線を拡大するようお願いしますわ」
 6人は道を折れて、細い通路に入ってゆく。人間2人がかろうじて並べる広さで、剣を振ったりするには狭い幅だった。
「こちらの動きは把握していないと思いますので、奇襲をかけます。注意して進みましょう」
 通路はそのまま長く伸び、やがて扉に突き当たる。
「ここは元々、集会の際の控え室のような用途で使われてたみてェで、10メートル四方の部屋になってる」
「なるほど、分かりましたわ」
「さァて、突撃するぜ、指揮官サン」
 ルディが片手剣を握り直し、わずかに腰を落として戦闘体制を取った。ウィンドもまた、両手の剣を握り直して構える。
「了解しました。オラキオの素晴らしい力に、期待していますわよ?」
「そいつァ嬉しいね、感激で涙が出そうだ。さぁて行くぞ、ウィンド」
「いつでもOKっすよ!」
 言って二人が走り出す。扉が開く時間が惜しいかのように蹴り開け、ルディに続いてウィンドが踊り込む。
「!」
 中には5人のキャストがいた。先程の見張りと同じキャストが4体、あと1体は違うタイプだ。
 シルバーの重厚なボディでフェイス部がヒューマンを模しており、その他のパーツも所々生体パーツを使用していた。彼が隊長であるサイレンなのだろう、正面のテーブルの前に腰かけ、どんと構えて視線を向けるだけだった。
 入り口近くにはキャストが2人がいる。完全に不意討ちだったようで、1人は背を向けたまま驚いた顔で振り向いた。
「まず、ひとつ!」
 ルディが剣を振りかざして、上段から斬りおろす。火花と共に派手な金属音が鳴り響き、キャストの頭頂部を激しく打った。
 それと同時にウィンドも斬り込む。もう一体のキャストめがけて、腰を屈めて一気に距離を詰める。その勢いを両の剣に乗せて、下から上へと振り上げる。
「やるじゃねェか、坊主」
「坊主じゃないっス!」
 悪態をつきながら、ルディが飛んだ。そのままの勢いで剣を振りかざし、一気に振りおろす。頭を打たれたまま動けなかったキャストは、同じ個所にその一撃をもらい、頭をまっぷたつに割られた。そのまま膝をついて、前へと倒れこむ。
「攻めが若ェから、まだ坊主だ」
「そんなことないっスよ!」
 言いながらもウィンドが剣を振るう。返す刃で剣を振り下ろし、キャストの体を切りつける。肩口から斬りつけられてひるんだ所へ、体重を乗せた前蹴り。キャストはもんどりうってふっ飛び、そこにあったテーブルに体をうちつけて転倒した。座っていたシルバーのキャストが飛び退く。
「ホラ、そうやってやたらと派手な事したがる所が若ェって言ってんの」
 にやけた顔で、ルディはウィンドに向かって言う。
「2人とも! 真剣味が足りませんわ!」
 言いながらアナスタシアも飛び込んできた。右から左へマシンガンの弾をばらまいて、威嚇する。続いてアンドリューが突入して、ショットガンを撃つ。
「……これは愚かな報復? それとも下衆な自尊心?」
 サイレンが言いながら、ナノトランサーから2つの機械を取り出す。先端にフォトンの突起があり、小さな羽根を2つ持つ、全長30センチほどのシャドゥーグだった。それは手を離れるとゆっくりと浮かび上がり、彼の肩上30センチほどの所を、ふわふわと漂っている。
「2個同時に……!?」
 アナスタシアが愕然とした顔で呟く。通常、シャドゥーグは使用者と一対になるはず。なぜなら、全ての指を同時に別々の動きをさせる事が困難なように、脳波のチャンネルが足りないため通常2つ以上を扱う事は不可能だっただからだ。
「任務完遂のための障害と判断。排除する」
 言い終わるとほぼ同時に、2つのシャドゥーグがぐんと勢いを増して飛び出す。もの凄い速さで皆の間を駆け抜けたかと思うと、ルディの背面にあっさりと回り込んだ。PSU小説・ファンタシースターユニバース 〜還らざる半世紀の終りに〜 universe37 新たな脅威
「なンだと!?」
 あまりの速さに反応できない。2本の紫がかったフォトンレーザーが吐き出され、ルディを襲う。
「うおぉぉ!」
 ルディは咄嗟に剣で守るが、間に合わない。1発目はかろうじて剣で弾くが、もう1本は防ぎきれず胸に直撃する。
 金属音に続いて肉を叩く鈍い音が鳴り、跳ね飛ばされる。倒れているテーブルを超えてふっ飛び、壁に叩きつけられた。
「! 速い!」
 アンドリューが叫ぶ。あまりの速度に、反応はできても撃ち落とすのは難しい……!
「あの速度で動き回られて狙撃する武器というだけでも恐ろしいのに、あれだけの威力を持っているのですか……?」
 アナスタシアが舌打ちして呟いた。
 ……甘かったか。敵勢力の数を聞いた時点で素直に、援軍を求めるべきだったのだろうか。交戦を極力避け、指揮官狙いで動いていたのは間違っていない。この人数で任務を遂行するのであれば、的確な判断だ。
 問題は、部隊長が思わぬ能力を持っていたこと……。
「敵、残存兵力4名。これより排除します」
 サイレンのいやにデジタルな声が、一同の恐怖心を煽っていた……。

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※この物語は株式会社セガが提供するオンラインゲーム「ファンタシースターユニバース」を題材としたフィクション(二次創作物)です。世界観、固有名詞、ゲーム画面を使用した画像など、ゲーム内容の著作権は株式会社セガにあります。
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